ブルーベリーは高齢化率52%の地区で採れ、2.5%の団地で売られる

記者:富谷トム・・最終更新 2026年9月21日・読了目安 3分
富谷市のブルーベリー農園の近く。刈り取り後の田と、丘陵へ続く道路
富谷市のブルーベリー農園の近く。水田の転作から始まった産地です。/写真:cora_cola 茶々丸 / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
この記事の目次

ブルーベリーがどこで採れて、どこで売られているか。その2つは、いま富谷のなかで離れています。

17年目のフェア、参加は14店舗

市が毎年開いている「とみやブルーベリースイーツフェア」は、令和8年で17回目になりました。富谷市ブルーベリー生産組合が育てたブルーベリーを使い、市内のスイーツ店がオリジナル商品をつくって売る、という仕組みです。今年は市制施行10周年の記念事業にもなっています。

参加した14店舗の住所を、地区ごとに数えました。

フェア参加14店舗の地区別内訳

  • 成田5店
  • 日吉台3店
  • 富谷新町(しんまち)3店
  • 富ケ丘2店
  • 大亀1店
市が公表した参加店舗一覧の住所から集計。富谷新町の3店のうち2店は「とみやど」の中にあります。
地区 店舗
成田 お菓子のアトリエ・ムー(四丁目)/MonaMona 富谷成田店(一丁目)/石窯パン工房 パンセ富谷本店(八丁目)/NAKAO 富谷店(八丁目)/ユートミヤ・スイーツステーション(一丁目)
日吉台 パティスリーレクリア(二丁目)/CHARMER(二丁目)/ケーキハウス 白いオルゴール(二丁目)
富谷新町 菓子処 いさわ屋/dear honey lover,(とみやど内)/mamemaru+(とみやど内)
富ケ丘 餅よし(二丁目)/ノワイエ(一丁目)
大亀 もしもしcafé(亀亀館内)

採れる場所と、売る場所は違う

いっぽう、宮城県が農業体験の受け入れ先として紹介している摘み取り園は、髙橋ブルーベリー摘み取り園(富谷市明石祭田85)です。宮城県のページによれば、開園は7月上旬から下旬、入園料は中学生以上1,200円で摘み取り45分。農薬不使用・化学肥料節減で栽培しています。

明石は市の北側の農村部です。行政区別の高齢化率では、明石は52.1%、人口140人。同じく生産地側の大亀は47.4%・76人、西成田は39.0%・182人です。

これに対して、フェアの店が集まっている成田は、市内でいちばん若い地区です。成田第一(二丁目全域)の高齢化率は2.5%、人口484人。日吉台は32〜37%ですが、人口はそれぞれ1,000人を超えます。

役割 地区 高齢化率 人口
採れる側 明石(摘み取り園の所在地) 52.1% 140人
大亀 47.4% 76人
西成田 39.0% 182人
売る側 成田第一(二丁目全域) 2.5% 484人
日吉台二丁目 31.6% 1,524人

ブルーベリーは、人が減って年をとった地区で採れ、人が増えた新しい団地で売られています。フェアという行事は、その2つを17年かけてつないできた、ということになります。

これは富谷という街の形そのものだ

1983年に転作が始まったころ、富谷はまだ町でした。別の記事で見たとおり、1963年の人口は5,091人。そこから10倍に増えて、いまは5万人を超えます。増えた分は、ほとんどが丘の上に造成された住宅団地です。

つまり富谷では、元からあった集落(旧富谷・明石・大亀・西成田など)と、あとから来た団地(成田・日吉台・明石台など)が、地理的にも年齢的にも分かれています。ブルーベリーは、その両方にまたがる数少ない共通の話題です。

市の特産品のページによると、富谷産ブルーベリーは宮城県から「農薬不使用・化学肥料節減栽培農作物」として認証されています。手で摘み、朝のうちに選別を終える作業は機械化できません。その手間が成立するのは、生産の側に人が残っているあいだだけです。

フェアの設計を読む

スタンプラリーの条件を見ると、市がどう動かしたいかが読めます。

スタンプがもらえる条件
各店舗のフェア対象スイーツを含む税込1,000円以上の購入で、1店舗につき1つ
髙橋ブルーベリーつみとり園での摘み取り体験1回につき1つ
5つ以上集めると商品券が当たる。全部集めるとコンプリート賞

摘み取り園でのスタンプが、店舗でのスタンプと同じ重さで置かれています。5つ集めるには最低でも5か所を回ることになり、店を回るだけでも達成できますが、産地へ足を運ぶ経路がひとつ用意されている形です。フェアの店は団地に多く、産地は農村部にある。その間を客に移動してもらう仕組みだと読めます。

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