富谷市議会の163議案、反対票は5票だけ

記者:富谷トム・・最終更新 2026年9月21日・読了目安 4分
津山市議会の議場にある演壇マイク、議席、電子表決システムのモニター
議会採決の関連イメージ。写真は津山市議会の電子表決システムで、富谷市議会の設備・採決結果ではありません/写真:タケル/ぱくたそ(撮影協力・監修:津山市議会)
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富谷市議会が公表した議員別の賛否を、議案ごと・議員ごとにデータベース化しました。2025年2月から2026年7月までの1年半、市議会が開いた7つの会議で163議案が採決されました。採決に加わった議員の記録はのべ2715件です。

2715件のうち、反対は5件

163議案のうち、反対が1票でも入ったのは5議案でした。残る158議案、全体の96.9%は反対ゼロで可決・認定されています。個別の記録2715件で見ると、反対は0.18%です。

会議 会期 議案数 反対あり 欠席
令和7年 第1回定例会 2/20〜3/14 37件 2件 0件
令和7年 第2回臨時会 5/16 12件 0件 0件
令和7年 第2回定例会 6/12〜6/23 11件 0件 0件
令和7年 第3回定例会 9/2〜9/19 22件 2件 21件
令和7年 第4回定例会 11/28〜12/10 25件 0件 25件
令和8年 第1回定例会 2/19〜3/12 29件 1件 1件
令和8年 第2回定例会 6/12〜7/16 27件 0件 0件
合計   163件 5件 47件

5件の反対は、すべて一般会計と国民健康保険

反対が入った5議案を並べると、はっきりした形が出ます。

会議 議案 賛否
令和7年 第1回 議案第20号 令和7年度富谷市一般会計予算 賛成16・反対1
令和7年 第1回 議案第22号 令和7年度富谷市国民健康保険特別会計予算 賛成16・反対1
令和7年 第3回 認定第1号 令和6年度富谷市一般会計歳入歳出決算の認定 賛成15・反対1
令和7年 第3回 認定第3号 令和6年度富谷市国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定 賛成15・反対1
令和8年 第1回 議案第19号 令和8年度富谷市一般会計予算 賛成15・反対1

5件はすべて一般会計か国民健康保険特別会計の、予算か決算です。条例の改正にも、人事の同意にも、専決処分の承認にも、反対は1票も入っていません。

5票を投じたのは、いずれも渡邊清美議員です。いまの議会で採決に加わる16人(定数18人から議長と欠員1を除く)の所属を、公開資料から並べると次のようになります。

所属 人数
無所属 12人
公明党 2人
自民党 1人
日本共産党 1人

渡邊議員は、この議会で日本共産党に所属する唯一の議員です。1年半で入った反対票は5票で、そのすべてが唯一の野党会派の議員のものであり、対象は市のお金の使い方を決める予算と決算に限られていた、というのが記録です。

欠席47件は、2人の議員に集中している

欠席として記録されているのは47件で、うち46件は2人の議員のものです。

議員 会議 欠席
塩田 智明 令和7年 第4回定例会 25件(全議案)
伊藤 嘉樹 令和7年 第3回定例会 21件(22件中)
渡邊 清美 令和8年 第1回定例会 1件

2人とも1つの定例会をまるごと、あるいはほぼまるごと欠席しています。議会だよりの表では、この場合は列全体が結合されて「欠席」の2文字が入ります。伊藤議員が1件だけ加わっているのは、令和7年第3回の会期初日9月2日に議決された一般会計補正予算(第5号)です。ほかの21件は最終日の9月19日の議決でした。

なお、議長は採決に加わりません。この1年半のあいだに議長が交代しており、令和7年第3回定例会までは金子透議員、第4回定例会からは畑山和晴議員が議長を務めています。集計では、議長を務めた会議をその議員の確認対象から外しています。

本人に関する議案で採決に加わらなかった例が1件

令和7年第4回定例会の発議第4号「小松大介議員に対する議員辞職勧告決議(案)」で、小松議員は採決に加わっていません。議会だよりの表でも、この行の小松議員の欄だけが「−」になっています。賛成15・反対0で可決されました。本人に関する案件で採決から外れることを除斥といいます。1年半で除斥はこの1件だけです。

議案の9割近くは、会期の最終日に決まる

議決の日付を集計すると、傍聴を考えている人に役立つ形が出ます。

定例会 議決日と件数
令和7年 第1回 2月20日 8件/3月14日 29件
令和7年 第2回 6月23日 11件
令和7年 第3回 9月2日 1件/9月19日 21件
令和7年 第4回 11月28日 2件/12月10日 23件
令和8年 第1回 2月19日 3件/3月5日 1件/3月12日 25件
令和8年 第2回 6月22日 2件/7月16日 25件

6回の定例会で採決された151議案のうち、134件(88.7%)が会期の最終日1日で議決されています。委員会で審査してから本会議で採決する流れなので、最終日に集中すること自体は手続き上ふつうのことです。ただ、本会議の採決を傍聴したい市民にとっては、行くべき日がはっきりしているという意味があります。

163議案の中身

議案の種別を分けると、争点になりにくいものが相当な割合を占めていることが分かります。

種別 件数 内容
議案 128件 市長が提出する条例の制定・改正、予算、財産の取得、道路の認定など
承認 18件 市長が専決処分したことの事後承認
認定 7件 前年度の決算の認定
発議 5件 議員が提出する議案
諮問 4件 人権擁護委員の候補者の推薦についての意見
請願 1件 市民から出された請願の採択

専決処分は、議会を開く時間がないときに市長が先に決めてしまえる仕組みで、議会は後から承認するかどうかを決めます。すでに執行されたものを追認する形になりやすく、反対しにくい議案です。諮問の4件は人権擁護委員の候補者についての意見で、これも賛否が割れにくいものです。争点になりうる議案がそもそも多くないということでもあります。全会一致が続くことは、議会が何もしていないことを意味しません。

訂正

2026年8月30日、令和8年第1回定例会の議案第3号で欠席した議員を、村上治議員から渡邊清美議員へ訂正しました。一次資料との照合で判明したもので、議会全体の集計結果への影響はありません。

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