富谷市議会の9月定例会では、12人の議員が18件の一般質問を通告しました。質問は9月11日と15日に行われています。通告書には、議員が何を問題だと考え、市に何を求めるのかが、質問の前に書かれています。31ページを読んで、18件を整理しました。
子どもと高齢者で18件の半分以上
18件をテーマで分けると、子ども・教育が5件、高齢者・健康が5件で、この2つで半分を超えます。
| テーマ | 件数 | 件名(議員) |
|---|---|---|
| 子ども・教育 | 5 | 低出生体重児と家族への支援(畠山由美)、子どもホスピス(須藤義)、学校の開門時間(須藤義)、ブックスタート事業(長谷川る美)、子育て・教育全般(伊藤嘉樹) |
| 高齢者・健康 | 5 | 身寄りのない高齢者のサポート(青柳信義)、熱中症対策(畠山由美)、健康寿命の延伸(浅野直子)、高齢者の移動支援(浅野直子)、高齢者のごみ出し支援(菊池美穂) |
| 産業・行政運営 | 3 | 産業創出と地域経済(菅原福治)、新商品開発補助金のその後(出川博一)、市民センター移行のその後(出川博一) |
| 防災・防犯 | 2 | 防犯カメラの増設(渡邊俊一)、避難所運営(渡邊清美) |
| 交通 | 1 | 路線バスの維持(菊池美穂) |
| スポーツ施設 | 1 | 市内スポーツ施設の整備(荒谷敏) |
| 生活環境 | 1 | ごみ屋敷・放置車両(菊池美穂) |
答弁を求める相手は市長が15件、教育長が3件です。教育長に向けられたのは、学校の開門時間、スポーツ施設、市民センター移行の3件でした。
市内の運動施設「N-1ドーム」が来年度閉鎖という話
通告書のなかで、見落としていた事実がひとつあります。荒谷敏議員の通告書に、「市内の民間屋内全天候型運動施設であるN-1ドームが施設の老朽化を理由に来年度に閉鎖されるという話を伺いました」と書かれています。フットサルやテニスの拠点として使われてきた施設で、閉鎖されれば「大きな活動場所が喪失してしまう」と懸念しています。
荒谷議員はこれを入口に、民間施設を含めたスポーツ施設への支援、市の運動公園に野球専用グラウンドを整備する可能性、「スポーツを活用したまちづくり」を宣言する考えの有無を、教育長に問うています。
N-1ドームの閉鎖は、施設側の発表ではありません。通告書に「伺いました」と書かれた段階の話として読んでください。
仙台市が始めた「子どもホスピス」を富谷でも
須藤義議員は、生命を脅かす病気や重い障害のある子どもと家族を支える子どもホスピスの整備を求めています。通告書によると、仙台市は2026年5月、泉区加茂の市有地を30年間無償で貸し、看護師等の人件費も補助する形で、民間事業者が地域型こどもホスピスを整備・運営する事業の公募を始めました。令和10年度の開設を目指しているとしています。
須藤議員は、仙台市の施設には県内外から利用希望が殺到し、富谷の利用希望者が十分に使えないおそれがあるとして、市が明石台に取得済みの新病院用地のうち、病院が使わない残りの土地で子どもホスピスを公募することについて見解を求めています。新病院の経緯は富谷に140床の総合病院にまとめています。
小学校の開門を早めるか
同じ須藤議員のもう1件は、共働き世帯で保護者の出勤が子どもの登校より早い家庭の「朝の居場所」です。通告書は、群馬県高崎市が令和8年度から市内全小学校を午前7時に開門していること、愛知県大府市が早朝の居場所づくりをシルバー人材センターに委託していることを挙げています。
ただし須藤議員自身が「早急にこの取り組みを導入すべきとは考えておりません」と書いており、求めているのは保護者へのニーズ調査です。富谷は仙台市などへ通勤する子育て世帯が多く、毎日1万3918人が仙台方面へ出ています。
「その後は」と問い直す2人
18件のうち2人は、以前の質問の続きを問うています。
出川博一議員は、昨年6月議会で取り上げた「令和4年度〜令和6年度のとみやどに対する補助金2,430万円」を「納得できない“もやもや”した事案の一つ」として再び取り上げ、令和7年度以降の商品開発の状況、富谷塾第1期から第8期までの90名の起業者の動向、株式会社1038の決算状況を問うています。とみやどは富谷宿の観光交流ステーションです。
菊池美穂議員は、令和7年第1回定例会で求めた高齢者のごみ出し支援について、市長が「なるべく早い段階で対応を検討したい」と答弁してから約1年半が経ったとして、他自治体の調査、庁内協議、財政面の検討がどこまで進んだか、そして令和9年度当初予算に新規事業として計上する考えがあるかを問うています。富谷のごみの出し方はごみ分別ガイドに整理しています。
高齢者の暮らしをめぐる4つの角度
高齢者に関する5件は、それぞれ違う角度から入っています。
- 身寄りのない高齢者(青柳信義議員):2026年6月に成立した改正社会福祉法で、頼れる親族がいない高齢者を社会福祉協議会などが公的に支える仕組みができることを受け、市の一人暮らし高齢者数の把握、終活支援や死後事務支援の制度化を問う。
- 熱中症(畠山由美議員):エアコンのない高齢者世帯への購入・設置費の補助、小中学校や5月に開館したユートミヤのとみのわパークへのミストシャワー設置、クーリングシェルターの周知を問う。
- 健康寿命(浅野直子議員):データで見る「不健康な期間」が県より長いことの分析、糖尿病・慢性腎臓病の重症化予防、フレイル予防を問う。
- 移動支援(浅野直子議員):とみぱすを評価しつつ、バスが使えないときの選択肢としてタクシー利用助成の実証事業、ライドシェアの導入を問う。
富谷の高齢化は行政区で大きく差があり、富谷の高齢化と介護にまとめています。
ペットと一緒に避難できるのは2か所
渡邊清美議員の避難所運営の質問には、ハザード特集に書けなかった事実がひとつ入っています。ペット同行の受け入れ場所を、富谷中央市民センターと日吉台市民センターの2か所とした理由を問うており、市がその2か所を受け入れ場所としていることが通告書から分かります。あわせて、避難行動要支援者の個別避難計画の策定状況、避難所の車いす対応トイレ、車中泊の対応を問うています。
避難所28か所の使用可否は避難所一覧に、地図の読み方はハザードマップの見方にまとめています。
防犯カメラは「しんまち公園に早急に」
渡邊俊一議員は、令和8年3月に京都府南丹市で小学5年生が殺害された事件と、昨年度から続くクマの出没を挙げ、市の防犯カメラの台数、1台当たりの金額、年間の設置予算を問うています。具体的な場所として、富谷小学校の送り迎えに使われている駐車場としんまち公園への早急な設置を求めています。
そのほかの質問
- 産業創出(菅原福治議員):市制施行10周年にあたり企業誘致の総括、「とみや・つなぎ・つながれ」T3みちのく協議会の製造業部会の実績、成田二期北工業団地とデータセンター集積制度との関連を問う。
- 低出生体重児(畠山由美議員):2500グラム未満で生まれる赤ちゃんは出生数の9.4%とし、搾乳機や極小の紙おむつ、通院の交通費など家族の経済的負担への支援を問う。
- ブックスタート(長谷川る美議員):乳児健診での読み聞かせをすでに行っていることを踏まえ、絵本を通じた親子体験づくりの導入とユートミヤの利用促進を問う。
- 市民センター移行(出川博一議員):4月1日に公民館から市民センターに移行した後の、施設利用の拡大、使用料の改定、減免区分、市民活動団体への支援を問う。
- ごみ屋敷・放置車両(菊池美穂議員):撤去だけでは解決しないとして、福祉・防災・道路管理・警察が連携する全庁横断の体制と、条例・要綱の設置を問う。
- 路線バス(菊池美穂議員):泉中央駅と市を結ぶ路線バスを「地域全体で守るべき社会インフラ」と位置づけ、路線維持へ向けた連携強化を問う。
- 子育て・教育(伊藤嘉樹議員):学区再編や学校統廃合の展望、部活動の地域展開、小中高校生の市民バス・デマンド交通の無償化、ユートミヤの現状など9項目を問う。
この定例会で通告しなかった議員
いまの議会は定数18のうち1議席が欠員で17人、議長は一般質問に立たないため、通告できるのは16人です。今回通告しなかったのは佐藤浩崇・塩田智明・金子透・村上治の4議員です。議員ごとの質問の記録は市長・市議会議員の各ページで見られます。
令和8年第1回・第2回の38件は富谷市議が市に聞いたこと38件に、9月25日の議決結果は令和8年第3回定例会の会議ページにまとめます。