市民が自分の車で人を運ぶ県内初の実証「とみや公共ライドシェア」は、14日間で32回、登録134人でした。
2026年3月5日の市議会で、結果が数字で報告されました。
どんな実験だったのか
若生裕俊市長の答弁によれば、内容はこうです。
- 目的 市民バスとデマンド型交通が終わったあとの、夜間の交通空白の解消
- 期間 2025年11月26日から12月25日までの水曜〜金曜、計14日間
- 時間帯 18時から24時
- 体制 4台、運行区域は市内全域
- 方式 ドライバーの自家用車を活用した公共ライドシェア。県内初の取組
期間中、事故はありませんでした。
結果の数字
とみや公共ライドシェア 実証運行の実績
14日間で32回。1日あたり約2.3回です。4台体制でしたから、1台が1日に運んだのは平均0.6回。18時から24時までの6時間動いていたことを考えると、ほとんどの時間は待機していた計算になります。
アプリに登録した134人に対して、実際の利用は延べ46人でした。登録はしたが使わなかった人が多かったことがうかがえます。
使った人の評価は悪くなかった
ここが判断の難しいところです。市が行った利用者アンケートでは、次のような声が挙がっています。
- 乗車目的は飲食が最も多く、次いで買物
- アプリ予約の利便性、安価な料金設定、行きたい場所に行けるといった肯定的な評価
- 今後も利用したいという声
つまり、使った人の満足度は高いが、使う人が少なかったという結果です。
「足りない」と言われたのは2つ
要望として多く寄せられたのは、次の2点でした。
- 泉中央駅方面への運行
- 土曜日・日曜日の運行
実証運行は市内全域が対象で、水曜〜金曜の夜だけでした。飲食が最多の利用目的だったことを考えると、この2つが外れていたことは利用回数に効いた可能性があります。仙台方面へ出て飲んで帰る、という需要は、市内完結の運行では拾えません。
市はどうするのか
市長は、交通空白の解消や新たな移動手段としての可能性は確認できたとしたうえで、「今回得られた課題を整理し、システム導入に係る運用コストを踏まえながら交通事業者とも協議を行い、本格導入の可能性について検討してまいりたい」と答弁しました。
本格導入が決まったわけではありません。判断材料に「システム導入に係る運用コスト」が挙がっている点は重要です。1日2.3回の利用に対して、アプリのシステムを常時維持する費用が見合うか、という問いになります。
これから何を見るか
- 2回目の実証があるか、条件が変わるか。泉中央方面と土日が加われば、数字は変わるはずです。
- 運用コストがいくらか。本格導入の可否は、ここが公開されて初めて議論できます。
- 市民バスの夜間便との比較。同じ予算でバスを延長する選択肢と、どちらが多く運べるか。
一次資料
1日あたり・1台あたりの回数は、市が示した運行日数・台数・運行回数から算出したものです(32回÷14日、32回÷(14日×4台))。