富谷市で唯一の公立幼稚園が民営化へ 9月議会に条例廃止3本

記者:富谷トム・・最終更新 2026年9月20日・読了目安 4分
富谷市総合運動公園の体育館。手前に芝の土手と紅葉した木
富谷市総合運動公園。市が持つ公共施設のひとつです。/写真:ToshiJapon / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
この記事の目次

富谷市にひとつだけある公立の幼稚園、富谷幼稚園が民営化されます。9月7日に開会する市議会9月定例会に、市立幼稚園にかかわる条例3本の廃止が議案として出ています。あわせて、市立の富谷保育所も令和10年3月をもって閉所する予定であることが、9月1日発行の広報とみやに書かれました。

市内の公立幼稚園は1園だけ

市の「幼稚園の入園について」のページによると、富谷市内には公立幼稚園が1園、私立幼稚園が3園あります。

公私 施設名 設置主体 所在地 利用定員
公立 富谷幼稚園 富谷市 富谷狸屋敷13番地 90名
私立 鷹乃杜幼稚園 学校法人杜栄学園 鷹乃杜一丁目 460名
私立 ひより台幼稚園 学校法人杜栄学園 ひより台二丁目 420名
私立 成田中央幼稚園 学校法人おおとり学園 成田三丁目 75名

私立3園の定員を足すと955名で、公立の90名は市内の幼稚園定員の1割に届きません。ただし市立幼稚園は富谷市に住民登録のある人だけが対象という点で、私立とは位置づけが違います。

9月定例会に条例廃止3本

令和8年第3回定例会の議案一覧に並んでいるのは、次の3本です。

議案 件名
議案第3号 富谷市立幼稚園授業料徴収条例の廃止について
議案第4号 富谷市立幼稚園預かり保育条例の廃止について
議案第5号 富谷市立幼稚園運営審議会条例の廃止について

授業料を取る根拠、預かり保育を行う根拠、運営を審議する場、その3つをまとめて廃止する形です。市が幼稚園を運営しなくなれば、いずれも要らなくなります。

同じ定例会には議案第12号「財産の無償譲渡について」も出ています。ただし議案一覧に載るのは件名だけで、何を誰に譲渡するのかは書かれていません。提案理由の説明は9月7日に行われます。

富谷保育所は令和10年3月で閉所予定

広報とみや9月号7ページ、令和9年度の保育所・認定こども園入所児童募集の欄に、市立保育所4か所が並んでいます。そのうち富谷保育所(富谷狸屋敷30番地)に注記が付いています。

※富谷保育所は富谷幼稚園の民営化に伴い、新たな認定こども園が設置予定であることから、令和10年3月をもって閉所する予定です。

広報とみや令和8年9月号 7ページ

富谷幼稚園は富谷狸屋敷13番地、富谷保育所は同30番地で、ふたつは同じ地区にあります。幼稚園を民営化して認定こども園にし、隣の市立保育所はそちらへ引き継ぐ、という形が読み取れます。

ここから先は業界紙の報道による

事業者や開園時期については、市がまとまった形で公表したものが見つかりません。以下は建設業界紙「日本建設新聞」が報じた内容です。市の公式発表ではないため、そのつもりで読んでください。

項目 内容
事業者 社会福祉法人仙台ぱれっと福祉会(公募型プロポーザル、3者が参加)
富谷幼稚園の閉園 2027年3月31日
富谷保育所の閉所 2028年3月31日
新施設 幼保連携型認定こども園、利用定員120人・認可定員138人
開園 2028年4月1日を予定
園舎・設備 無償譲渡。現園舎は708平方メートルで、2027年4月以降に建て替え着工
土地 10年間の無償貸付を予定

報じられた閉所日2028年3月31日は、広報の「令和10年3月」と一致します。

選定されたと報じられた社会福祉法人仙台ぱれっと福祉会は、本部を富谷市成田一丁目5番地3に置く法人です。法人の概要ページによると令和3年8月設立で、令和5年11月に富谷市成田へ移転しています。運営しているのは仙台市内のぱれっと保育園・諏訪ぱれっと保育園・川前ぱれっと保育園・六郷ぱれっと保育園で、令和8年度に和敬ぱれっと保育園を開園予定としています。理事長は大信田和義氏です。

読者にとって何が変わるか

  • いま富谷幼稚園に通っている家庭 報道どおりなら令和9年3月末で市の運営が終わります。その後の受け入れがどうなるかは、市の説明を待つ必要があります。
  • 富谷保育所に通っている家庭 令和10年3月で閉所予定です。令和9年度の入所申込(受付は10月1日〜30日)では、富谷保育所も申込先の一覧に入っています。
  • 幼稚園の定員90名が認定こども園の120名になる 報道どおりなら、0〜2歳を含む受け入れに変わり、定員は増えます。

【2026年9月5日追記】幼稚園の在園者は8年で6割減っていた

この決定の背景にある数字を、市と県の統計から取りました。市の判断そのものの説明にはなりませんが、何が起きているのかは分かります。

  • 市内の幼稚園の在園者は、平成29年の1,038人から令和6年は414人へ。8年で約6割減り、園の数も5から4に減りました。学級数は40から20へ半減しています。
  • 同じ8年で、保育所・認定こども園に通う子は865人から992人に増えました。民営9か所の収容率は102.0%で、定員705人に対して719人が入っています。
  • 3歳以上だけで比べると、令和5年に保育のほうが多くなりました(幼稚園527人/保育545人)。幼稚園に通う子の割合を示す就園率は61.6%から45.2%へ落ちています。
  • 市営保育所は8年間、4か所・定員320人のまま変わっていません。増えた分はすべて民営が受けてきました。富谷保育所が令和10年3月に閉所すれば、市営は3か所になります。

子どもが減っただけではなく、行き先が幼稚園から保育へ移っている、というのが数字の形です。詳しくは富谷の子どもの数にまとめました。

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