紙おむつ支援は要介護4・5だけ 県内11市は3から

記者:富谷トム・・最終更新 2026年9月13日・読了目安 2分
在宅介護用品を整える手元を表す編集イメージ
編集イメージ(AI生成。実在の人物・施設・出来事を示すものではありません)/制作:OpenAI画像生成/とみや新聞編集部

介護で使う紙おむつを、市が現物で届ける事業があります。ただし対象は要介護4か5の人だけです。

2026年3月4日の市議会で、浅野直子議員がこの対象を要介護3まで広げるよう求めました。答弁からは、この事業がいま抱えている二つの問題が見えてきます。

いまの制度

若生裕俊市長の答弁によれば、現行制度はこうです。

  • 対象は要介護4または5の認定を受けた人のうち、常時紙おむつを使用している人
  • 紙おむつ等の介護用品を現物支給(戸別訪問で届ける方式)
  • 利用者の自己負担は利用額の1割相当で1回600円

今年度の利用実績(2026年1月末時点)

  • 利用者92人
  • 延べ回数602回
市長答弁で示された数値。バーの長さは各数値に比例します。出所:令和8年第1回定例会 第3号 本文(2026年3月4日)

問題1 対象者の半分しか使っていない

市長は事業の課題として、はっきりこう述べています。「利用率が対象者の5割程度にとどまっている」。そのうえで「事業の広報周知を強化し、利用の促進を図ることが必要」としました。

つまり、いま対象になっている要介護4・5の人のうち、およそ半分はこの支援を受けていません。制度はあるのに届いていない、ということです。対象を広げる前に、まず知られていないという問題があります。

問題2 県内では11市がすでに要介護3から

ここが今回いちばんはっきりした事実です。市長答弁によれば、宮城県内では11市が要介護3を対象に支援を行っています。

ただし方式が違います。県内の多くはチケット配布方式であるのに対し、富谷市は戸別訪問で届ける現物給付方式です。手厚い代わりに、対象を広げるとコストも増えやすい形といえます。

市はどう答えたか

市長は拡充の課題として、高齢化の進展で要介護4・5の対象者自体が増える見込みであり、対象拡大のための財源確保が課題だと述べました。

そのうえで、要介護3の人は紙おむつの介助が多くなる傾向にあることと、県内11市の状況を挙げ、「本市においても今後、事業の拡充を含め、支援の在り方を検討してまいります」と答えています。

「検討する」であって「実施する」ではありません。ただし、市長が他市の実施状況を自ら挙げた点は、単なる一般論の答弁とは重みが違います。

これから何を見るか

  1. 周知の強化が実際に行われるか。利用率5割という数字が次年度どう動くかが、最も分かりやすい指標です。
  2. 要介護3への拡大が予算に出るか。当初予算は2月の定例会で審議されます。
  3. 現物給付方式を維持するか。対象を広げる際、チケット方式へ変えるかどうかは、受け取る側の負担感に直結します。

一次資料

数値と発言はすべて会議録から引用しています。独自推計は含みません。

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