富谷の高齢化率は行政区で0.7%から57.3%
記者:富谷トム・・最終更新 2026年9月21日・読了目安 8分
数値は市の「行政区毎年齢別人口」(令和7年・令和3年の12月31日現在)から計算したものです。計算方法は記事末に。
富谷市は「若い街」と言われてきました。市全体の65歳以上の割合は23.3%で、宮城県平均を下回ります。
ところが、市が公開している行政区ごとの数字を開いてみると、まったく別の景色が出てきます。
いちばん高い行政区は石積の57.3%、いちばん低いのは明石台八丁目の0.7%。同じ市のなかで、2人に1人が高齢者の地区と、150人に1人しかいない地区が同時に存在しています。
10%未満
10〜20%
20〜30%
30〜40%
40%以上
円の面積が人口、色の濃さが65歳以上の割合です。62の行政区を市域の上に置きました(市の人口の94.6%)。位置は各行政区にあたる町丁目のおおよその中心で、行政区の境界を示すものではありません。濃い円は市の西側(富ケ丘・鷹乃杜・あけの平・日吉台)、南端の東向陽台、そして北部と東部の集落に集まっています。薄い円は中央から南にかけての明石台・成田・杜乃橋・上桜木です。地図データ © OpenStreetMap contributors。
濃い円と薄い円は、隣り合っている
地図をもう一度見てください。濃い円と薄い円が、遠く離れているわけではありません。富ケ丘・鷹乃杜・あけの平・日吉台といった西側の団地が濃く、明石台の新しい丁目や杜乃橋・上桜木が薄い。その距離は、車で10分もかかりません。
違いは場所ではなく、その団地がいつ売り出されたかです。同じ時期に同じ世代がまとまって入居し、その世代がそのまま一緒に年を重ねている。それが行政区ごとの数字の差になって出ています。
- 成田第二(一丁目5~8番地)人口23人/15歳未満0人95.7%
- 石積人口103人/15歳未満1人57.3%
- 明石人口140人/15歳未満5人52.1%
- とちの木(二丁目)人口547人/15歳未満21人51.9%
- 今泉人口133人/15歳未満8人51.9%
- 大童人口70人/15歳未満3人50.0%
- 大亀人口76人/15歳未満2人47.4%
- 志戸田人口245人/15歳未満17人46.5%
- 一ノ関人口97人/15歳未満4人45.4%
- 穀田人口77人/15歳未満6人44.2%
「15歳未満」の人数に注目してください。とちの木二丁目は547人が住んでいて、15歳未満は21人です。子どもがいないのではなく、子育てを終えた世帯が住み続けている地区です。
- 明石台第八(八丁目)人口839人/15歳未満347人0.7%
- 明石台第十(十丁目)人口1,231人/15歳未満435人1.2%
- 明石台第九(九丁目)人口1,403人/15歳未満569人1.4%
- 成田第一(二丁目全域)人口484人/15歳未満72人2.5%
- 成田第一(一丁目1~4番地)人口835人/15歳未満249人3.2%
- 杜乃橋二丁目人口1,569人/15歳未満432人4.9%
- 清水仲人口575人/15歳未満113人5.2%
- 杜乃橋一丁目人口977人/15歳未満147人5.4%
明石台八丁目は839人のうち65歳以上が6人、15歳未満が347人です。住民の4割強が子どもという構成で、小学校の教室が足りるかどうかが現実の課題になる地区です。
富谷の高齢化は「平均」では見えない
市全体の23.3%という数字は、この二つを足して2で割ったものです。しかし実際の富谷には、23%前後の行政区はそれほど多くありません。
- 0〜5%6区
- 5〜10%8区
- 10〜15%5区
- 15〜20%3区
- 20〜25%4区
- 25〜30%9区
- 30〜35%7区
- 35〜40%8区
- 40〜45%7区
- 45〜50%1区
- 50〜55%3区
- 55〜60%1区
人口100人以上の62行政区を、高齢化率5ポイントごとに数えました。0〜10%に14区、40%以上に12区。山が二つに割れています。市の平均値にあたる20〜25%は4区しかありません。「平均的な富谷」という地区は、ほとんど存在しません。
4年で10ポイント上がった地区がある
もう一つ、見ておきたい数字があります。令和3年と令和7年、4年間の変化です。
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成田第二(五丁目全域)
4年間で+8.2ポイント。
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明石台第五(四丁目,五丁目)
4年間で+5.4ポイント。
左が令和3年12月31日、右が令和7年12月31日の高齢化率です。日吉台三丁目は4年で10.4ポイント上がりました。同じ4年で市全体は21.7%から23.3%へ、1.6ポイントの上昇です。
ここで重要なのは、上位に成田と明石台が入り始めていることです。成田五丁目は14.1%から22.3%へ、明石台二丁目は25.9%から35.0%へ。比較的新しいと思われてきた団地でも、同じことが始まっています。
これは「高齢化が進んでいる」という話ではない
読み取れるのは、富谷市の課題が地区ごとにまったく違う形で現れるということです。
- 西側の古い団地では買い物、通院、除雪、階段のある家。移動手段の確保が先に来ます。とみぱすやライドシェアの議論は、主にこちらの地区の話です。
- 中央から南の新しい団地では学級数、放課後児童クラブ、公園。学区再編の議論が出てくるのは、主にこちらの地区です。
- そして、順番が来るいま薄い円の地区も、20年後には濃い円になります。日吉台三丁目の4年で10.4ポイントは、その速さを示しています。
市がひとつの施策を打つとき、それが市内のどの地区に効くのかは、この地図の上でしか判断できません。「富谷市の高齢化率は23.3%」という一行では、どちらの課題も見えなくなります。
地図に置けなかった7つの行政区
位置を確認できなかった行政区は、推測で地図に置いていません。次の7区は数字だけを掲載します。
町上・町中・町下は旧富谷宿にあたる区、グリーンヒルと東向陽台サニーハイツは民間の住宅地、熊谷と原は市北部の集落です。いずれも公開地図データに対応する地点を確認できませんでした。
計算方法
- 富谷市が公開する「行政区毎年齢別人口(5歳階級別)」の令和7年12月31日現在と令和3年12月31日現在のExcelを使いました。
- 65歳以上の割合は、65〜69歳から85歳以上までの男女の人数を合計し、その行政区の総人口で割って算出しました。
- 15歳未満は0〜4歳、5〜9歳、10〜14歳の男女の合計です。
- 地図上の位置は、行政区名に対応する町丁目の代表点(OpenStreetMap)です。行政区の境界とは一致しません。
- 分布のグラフと変化の順位は、極端に小さい区が上位に来ないよう、人口100人以上(分布)・300人以上(変化)に限っています。
元のExcelは市のページから誰でもダウンロードできます。数え方を変えれば違う絵も描けます。
一次資料